誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 場違いな場に来てしまったアイリーンが悪いのだ。いいえ、アイリーンですらない。社交に慣れていない、使用人同然の私が。アイリーンなら、こんな場合にももしかしたらうまく立ち回ることができるのかもしれない。
 動かないでいる私の顔をルード様が覗き込んだ。
「それとも、俺と話をするのは迷惑だろうか?」
 りりしい眉をゆがませて、鋭い目を不安に揺らして私の顔を見るルード様。
 こんな風に誰かに気遣われたことが今まであった?
 マーサがいなくなってからの私のことを、これほどまで気遣ってくれる人は他にいた?
「いいえ、いいえ……例え場違いだと思われても……来てよかったです。ルード様とお話できるんですから」
 私の答えに、ルード様がほっとしたような表情を見せる。
「よかった。行こう」
 ルード様に手を引かれて、お茶会の会場から離れる。
「さっきは誤解させるような言い方をして悪かった。その、招待客じゃないというのは、俺がハンリー侯爵に頼んで招待客リストになかったアイリーンを呼んでもらったんだ。だから、お茶会の招待客じゃなくて、本当は俺の客なんだ。それはハンリー侯爵も知ってる。だから挨拶をする必要もない……」
「え?ルード様が、私を招待……?ハンリー侯爵様にお願いして?」
 どうして……もしかして、ルード様は、高位貴族に招待されれば断れないだろうと思って……?
 そこまでして私に来てほしかった?