誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 弾んだ声がかけられ、目を見開く。
「ルード様」
 驚く私に、ルード様は手を差し出した。
 会場の女性たちがルードを見ている。
「あの……」
 ここに来ているということは、ルード様にも婚約者がいないと言うことだろうか……。
「見せたいものがあるんだ」
 すぐにでもどこかへ引っ張って行かれそうになり、足を止める。
「今来たばかりで、侯爵様へのあいさつもしてないので……」
「ああ、挨拶はいらないよ」
 え?そういうルールなのだろうか?
「アイリーンはお茶会の招待客じゃないから」
「それは……」
 侯爵家のお茶会に招かれるような立場にないと……そういうことだろうか。
「私、帰ります」
 誰かがいたずらで招待状を出したのか。アイリーンは……社交界であまり好かれていないの?
 そんなはずないわよね。
 どちらにしても……。
 この場にお前はふさわしくないなんて言葉を、ルード様から聞くなんて……。
「か、帰らないで」
「でも、招待客でもない私がいるわけには……」
 手を掴まれてしまえば振り払って駆けだすようなこともできない。
 周りの目がこちらに向いている。
 みっともなく泣き出すこともできない。
 ちらちらと周りを気にしていた私の様子にルード様がハッとする。
「す、すまない。言い方が悪かった。俺は……その、気が回らなくて済まなかった……あちらで話をしよう」
 ルード様が悪いのではない。