誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

「茶髪で生まれたら母親に似たと言えばいいなら、誰とでも結婚できる。でも父親の色を引き継いでいれば……。見つけておかなければならないのは黒髪と赤毛とアッシュグレーの3人かな……」
 こんな、宝石やドレスを選ぶみたいに、人を選ぶなんて……。
 半年後……私には子供ができる。家族ができる。大丈夫……きっと、幸せになれる。
 机の引き出しから本を1冊取り出す。真ん中あたりの紙を挟んであるページを開くと、ピンクの花びらの押し花が姿を現す。
 20人の中に、アイリーンが本当に好きな人はいなかったんだろうか。
 20人の中に、ヴァイオレッタを本当に好きな人はいなかったんだろうか。
「もし、いたとしても……結婚するのは別の人……私……か……」
 考えても仕方がないと、頭をふり、本を閉じて書類仕事に戻る。

 次の日、お茶会に向かう馬車の中。
「背中がチクチクする……」
 何かが服の中に入っているみたい。
 ふと、準備を手伝ってくれた侍女のニヤニヤとした顔を思い出す。
 わざと、何か入れた?
 この間はお父様と一緒に出掛けると知っていたから何もしなかったけれど……今日は何かされたかもしれない。
 そりゃ、自分より下の使用人扱いを受けていた私の身支度の手伝いなんて腹が立つのは分かるけれど。
 一体何を入れられたのか。
 背中では自分で確認して取り出すことができない。
 帰るまで我慢するしかない。