誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 今までアイリーンが参加していたお茶会は、せいぜい伯爵家主催のもの。昨日のような大規模な舞踏会ともなれば、下位貴族も呼ばれるけれど、小規模になればなるほど、同じような階級の貴族しか呼ばれなくなる。もちろん友人関係や親せき関係で、階級に関係なく呼ばれる者もいるけれど……。
 アイリーンはいつも、うらやましい、侯爵家のお茶会に御呼ばれしたと伯爵令嬢に自慢された、悔しいと愚痴っていた。
「なんで……?」
「大方、この間の舞踏会で公爵家に優先的に挨拶していたのを見ていたんだろう。公爵家と懇意にしていると思われ、仲良くすれば特になると思ったか……。くくく、いくら遠縁と言っても、公爵家と儀礼的でない言葉を交わせる立場になるだけでこうも扱いが変わるとはな……こりゃぜひともアイリーンにはルードの弟と仲良くなってもらわねば」
 ……損得でできる人間関係……か。
 そうだよね。
 ……ルード様は、どうして私に声をかけてくれたんだろう。何の得もなかったはずよね。名前すら知らなかったみたいだし。アイリーンだと知ってからは……どうして、一緒に庭園に連れ出してくれたんだろう……。
 なんの得が?
 ううん、損得で話を考えるような人じゃないわよね……。
「いいな、明日だ。エスコートなしで、お前ひとりで行くんだ」
 ひゅっと息をのむ。
「お父様は行かずに、私一人……ですか?」