誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

「父親が誰か分からない娘に、父親が誰か分からない孫……一緒に住むことを考えたら虫唾がはしる」
 お父様が私のカツラに手をかけた。
「いつまでアイリーンのフリを続けるつもりだっ!」
 乱暴にカツラがはぎとられる。
 ルートが髪にさしてくれたピンクの花が散り、花びらを落とした。
 金髪に、とても合う色だ。
 はらりと、カツラをかぶるためにまとめていた髪がほどけて顔にかかった。
 茶色の髪が、花の横にかかる。途端に、ピンクの色がくすんで見えた。
 馬車が止まり、お父様が馬車を降りると、口から言葉が漏れた。
「ずるい……アイリーンばかり……」
 初めて、アイリーンの金髪をうらやましいと思った。

 それから3日後。
 狭い屋根裏部屋で書類仕事をしていると、お父様が部屋に訪ねてきた。
「ヴァイオレッタ、明日お茶会に参加しろ」
「はい?あの、次に参加しなければならないのは、確か来月の……」
 どういうことだろう?明日だなんて、ずいぶん急な話だ。
 お父様がぽんっと、机の上に封筒を置いた。
 読めということだよね?手に取って中身を取り出す。
「え?侯爵家のお茶会?」