誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

「そうだったな……ヴァイオレッガが倒れたという話は聞いている。アイリーンは優しいな。さぞ心配だろう」
「私は優しくなんてないですっ」
 心配なんてしてない。
「お義姉様は、命に別状もないとお医者様に言われて……。でも少し休みが必要で……」
 ルードがそうかと小さくつぶやく。
「何かショックなことでもあったのか……な?その、少し休みがというのはどれくらいだ?いつ領地から戻ってくるんだ?」
 ルードの探るような質問に首をかしげる。
「あの、お義姉様のことを心配してくださるんですか?……本当に大丈夫ですので」
 ルードが小さく首を振った。
「今日は、公爵家主催だったから参加したんだね……?上位貴族からの招待は欠席しにくいということか」
 たぶんそういうことだろう。
 いや、それだけじゃない。きっと、お父様は上位貴族主催の舞踏会ならば、多くの上位貴族が参加する。アイリーンを売り込むためか、自分がのつながりを持つためか。そのために参加を決めたのだろう。
 あいまいに笑って返す。
「俺は……こんなことになるなんて……」
 ルードが苦しそうな表情を見せて手で目元を覆った。
「ルード様?」
 どうしたのだろう突然。
 ルード様は、顏から手を外すと、私の頬をそっと撫でた。
「いいや、なんでもない。すまない。じゃあ……」
 触れられた頬が熱を帯びる。
「はい。失礼いたします」