誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 私の茶色の髪には淡いピンクの花なんて合うはずもない……。
「私、そろそろ行かなきゃ。お父様が心配しちゃうわ」
 私の心配などするわけがない。いいえ、今日ばかりは、何か失敗して正体がばれるようなことをしでかすんじゃないかと心配しているかもしれない。
「ああ、そうだね。そろそろ挨拶の順番もまわったことだろうし」
 ルード様が手を出した。
「いえ、一人で戻りますので……ルード様は花を楽しんでください」
 ルード様なら、遠回りの断りだと通じるでしょう。
「あ、ああ……」
 ルード様が手を下ろしたことにホッと息を吐き出す。
「その、アイリーンは、次にどこのお茶会や夜会に参加する予定なのか教えてくれないか?」
「分かりません」
 行けと言われた舞踏会があといくつあるのか。
 アイリーンの出産まであと半年ほど。最低でもあと半年はアイリーンと入れ替わっているけれど……。
 その間に、何度舞踏会へと足を運ぶことができるのか。
 そこまで考えてハッとする。
 バレたらどうしようと思っていた……。アイリーンの身代わりで舞踏会へ足を運びたくないと思っていたのに。
 何度舞踏会へ足を運べるか考えるなんて。
「アイリーンは多くの会に足を運んでいると聞いたけれど……」
「あの……お義姉様が体調を崩して領地で静養中なので……心配で控えるように……していて」
 ルード様がピクリとこめかみを動かした。