少しだけ視線を上げれば、天井に描かれた美しい絵画が見える。
四角く区切られ、一つずつにテーマが設けられて描かれている。
真っ赤な薔薇が咲き誇る絵があるかと思えば、見目麗しい女性が描かれている絵もある。馬に乗った勇ましい騎士様に、青く澄んだ空……。
「何を見ているんだ?」
唐突に声をかけられ、びくりとして視線を声のした方に向ける。
ひゅっと思わず息を飲み込む。
天井画から抜け出したのかと思うほど、素敵な男性が立っていた。
濃紺の瞳に、黒髪。すっと通った鼻すじに引き締まった口。なんでも見透かしそうなほど鋭さを持った瞳は、私がアイリーンじゃないことまで見抜いているのではないかと思うほど。
「あ、あの……」
どうしよう。この人は知り合いなの?誰なの?
お父様はこちらに背を向けてずっと話を続けている。
もし、知り合いなら名前を聞くのもおかしい。
「て、天井画を見ていました」
どうしていいのか分からなくて、聞かれたことだけを端的に答えた。
「ふぅん、珍しいな」
「え?あ?そ、そうですか?」
アイリーンの知り合い?いつも私はそんなことはしてないから珍しいってこと?
「ほら、見てみろ。誰も天井画なんて見てる奴なんていないだろ?」
珍しいというのはそういうことか……とほっとする。
言われて周りを改めてみると、確かに。
四角く区切られ、一つずつにテーマが設けられて描かれている。
真っ赤な薔薇が咲き誇る絵があるかと思えば、見目麗しい女性が描かれている絵もある。馬に乗った勇ましい騎士様に、青く澄んだ空……。
「何を見ているんだ?」
唐突に声をかけられ、びくりとして視線を声のした方に向ける。
ひゅっと思わず息を飲み込む。
天井画から抜け出したのかと思うほど、素敵な男性が立っていた。
濃紺の瞳に、黒髪。すっと通った鼻すじに引き締まった口。なんでも見透かしそうなほど鋭さを持った瞳は、私がアイリーンじゃないことまで見抜いているのではないかと思うほど。
「あ、あの……」
どうしよう。この人は知り合いなの?誰なの?
お父様はこちらに背を向けてずっと話を続けている。
もし、知り合いなら名前を聞くのもおかしい。
「て、天井画を見ていました」
どうしていいのか分からなくて、聞かれたことだけを端的に答えた。
「ふぅん、珍しいな」
「え?あ?そ、そうですか?」
アイリーンの知り合い?いつも私はそんなことはしてないから珍しいってこと?
「ほら、見てみろ。誰も天井画なんて見てる奴なんていないだろ?」
珍しいというのはそういうことか……とほっとする。
言われて周りを改めてみると、確かに。

