誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

「お父様、予定になかったお茶会では?お父様だけで出るわけにはいきませんか?」
「何を我儘を言っている」
 わざと布を乱雑に置いた机から、封筒を1つとり、お父様に手渡す。
「これが、届けられました」
 ジョアンナ様が気を聞かせて私の出した手紙の返事に同封してくれたものだ。
「なに?ん?ジョアンナ様からか!ハンカチをプレゼントしたい人がいるからまた欲しい、いくつあっても嬉しいだと?1週間後に届けてくれないか……ってことは」
 お父様が私をにらむ。
「お茶会に出ている場合か!ヴァイオレッタ、刺繍をしろ!1週間後までにできるだけたくさん刺繍をするんだ!分かったな!」
 ほっと、胸をなでおろす。
 これでお茶会に出なくても済む。
 1週間後、ジョアンナ様にハンカチを届ける名目で侯爵家を訪れ……お願いしたことの詳細を話し合う。
 それから忙しく過ごした。
 ハンカチに刺繍をするという大切な仕事があったため、お父様も家令も私に書類仕事を手伝わせることはなかった。
 もちろん、お茶会への出席もしなくて済んだ。ハンカチの話はカモフラージュとはいえ、いつお父様に見せて見ろと言われるか分からないため、刺繍をしないわけにもいかなかい。何枚かのハンカチを完成させる。
 そして、計画実行のため着々と準備を進めていく。