誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 お願いは聞き届けてくれるみたいだ。
 だったら、他の準備を進めなければ。
 2つ準備を進めないといけない。
 一つは、1か月後の大規模なお茶会に向けて。
 小規模なお茶会は……断ろう。
 もう、ルード様にもハルーシュ様にも会いたくない。
 アイリーンのためにも、会わないようにしないと。
 それからお茶会の後の準備だ。これはジョアンナ様と話をしてから具体的に必要なことをしていかないと。
 はーっと、息を吐き出す。
 当日までお父様に悟られるわけにはいかない。

「おい、ヴァイオレッタ、どういうつもりだ。勝手に先に帰って!」
 お父様がけたたましい声を上げてノックもせずに部屋に入ってきた。
「申し訳ありません。気分がすぐれなかったもので……」
「はん、どうだかなぁ。お前はアイリーンのようにお茶会にすらまともに出ることができないのか!この愚図め!」
 ああ、そうだ。
 これだ。
 お父様は、アイリーンの名前を出して私を叱る。アイリーンより劣っていると叱る。だから、私はアイリーンはお父様に愛されていると思っていた。あんなに苦しんでいるなんて思いもしなかった。
「いいか、明日のお茶会は最後までいるんだ。いいな!」
 やっぱり。大きなお茶会以外にもまた行くつもりだったんだ。しばらくは自慢気に侯爵夫人に気に入られた話を吹聴したいのだろう。