誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 贈りもとも言えないような小さな思い出の品が丁寧にとってある。
 好きの気持ちが溢れた宝箱だ。
「アイリーン……」
 女の子なら……男の子なら……。
 まるで、お母様の本に書いてあったような紙が出てきた。つけたい名前、それからどういうことをしてあげたいということ。
「何これ。なんで、これ……」
 やっぱり妊娠してるのはずっと前に分かってたんだ。どうしよう子供ができてしまったなんて考える時期はとっくに終わっていて。
 もう、何かを……アイリーンは決心していた。
 この箱に……子供の名前を。
 何を一体……。何を……。
 ふと、モス・フロックスの押し花が目に入る。
「私と……アイリーンが似ているのだとしたら……。もし、私がアイリーンの立場ならどうするだろう?」
 何を望む?
 死のうとする?
 いいえ、違う。子供の名前を考えるくらいだ。
 ふぅーと、大きく息を吐き出す。
 きっと、私の考えは間違っていない。
 急いで手紙を書く。
「ミリア、お願い。手紙を、侯爵夫人のジョアンナ様に届けてもらえる?」
 決めた。
 いいえ。決めていたことだ。
 私は、アイリーンの産んだ子……姪……いいえ、甥かもしれない。その子を育てると。
「ヴァイオレッタが産んだ子として……」
 ミリアは返事を持って帰ってきた。
 詳しい相談は一度会って話をしましょうと。
 ほっと息を吐き出す。