誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

『ハルーシュ様がいらっしゃった。声をかけてくれるなんて思わなかったから……びっくりした。王都の社交界は慣れないと言っていた。いろいろと噂される私と一緒にいては迷惑をかけてしまいますと距離を取ろうとしたらハルーシュ様が笑った。僕もいろいろと噂されてるから平気だと。どんな噂をされているんだろう?』
 お茶会でハルーシュ様と再会したことが書かれている。
 お茶会の後だというのに『辛い』『もう行きたくない』という言葉がなかった。
『ハルーシュ様は辺境伯の次男だった』
 え?辺境伯の次男?
 ということは、兄でるルード様は辺境伯の嫡男ってこと?
 辺境伯と言えば、王家に次ぐ家柄……。
 公爵家にも並ぶ高位貴族。いや、むしろ王都から離れた国境沿いの領地にいるため王都にいる貴族とのつながりは弱いから侮られがちだけれど、公爵家よりもよほど力を持ち、王家も顔色を窺わざるを得ないと言う……。
 ハッと口を押える。
 そんな高貴な方だったんだ……。そりゃ、公爵家や侯爵家……少なくとも伯爵家でなければ相手にされるわけがない。
 子爵令嬢とのの関係なんて、別れさせなければと思うだろう。
『何を噂されているのかハルーシュ様に尋ねた。辺境伯は田舎者だと言う話と、言いにくそうに妾の子だと嘲笑されていると』
 ……田舎者?王都から遠く離れた場所で生活しているから?
 ハルーシュ様が貸してくれた上着を見る。