誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

『お義姉様よりはましなはず。だから、ドレスを着て見せびらかした。部屋をわざと散らかして使用人のように片付けさせた。うらやましいでしょう?と言った。それなのに、お義姉様はまるきり私をうらやましいという顔もしない。悔しそうな顔もしない。悲しくて泣きだすこともない』
 そうか……。アイリーンは私の方がマシだと思いたくて……。
 気が付かなかった。本当にアイリーンは綺麗なドレスを着ることが好きで私に自慢しているのだと思っていた。それをうらやましいと思わなかったから特に反応することもなかったけれど……。そのことが余計にアイリーンを苦しめていたのか……。
 日記を読み進めるうちに、出てきた名前にどきりとする。
 ハルーシュ様……。ルード様の弟の名前だ。
『初めてお見掛けする顏だ。きっと、社交界での私の噂を知らないのだろう。令嬢に囲まれて罵声を浴びせられている私を助けてくれた。嬉しかった。でも、きっと噂を耳にすれば、もう話かけてくれることはないのだろう』
 助けてくれた……のか。
 ルード様を思い浮かべる。
 兄弟そろって、正義感の強い人なのかも。
 だったら、ハルーシュ様は庶民の子だとかよくない噂を聞いても助けてくれるのでは?
 それから数日後の日記。