誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 どちらにしても、ヴァイオレッタが子供を産んだということにするなら、アイリーンとして私がお茶会に出ていることを知っていたら、お腹が膨らんでなかったとすぐに分かってしまう。
 アイリーンのアリバイを作るつもりなのに、逆に……ヴァイオレッタが妊娠していなかったということを広めてしまうことになりかねない。
 今ならまだお腹が出る前だったと言えばごまかせるだろう。
「はぁー」
 お父様が帰ってきたら相談しないと。
 いつものように机の引き出しから本を取り出して開く。
「え?」
 目に飛び込んできたのは、乱暴にペンでページいっぱいに書きなぐられた線。ぐるぐるぐちゃぐちゃな線。
「嘘、誰かこんな落書きを!ひどい!」
 ページをめくると、今度は一面にびっちりと同じ文字が書き込まれていた。
『死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい――』
 何、これ……。
 怖くなって慌てて本を閉じる。
「あ……」
 似ているけれど、お母様の本とは違った。
 いつもの癖で、机の引き出しから取り出したけれど、ここはアイリーンの部屋。
 机の中に入っていたのは……。
 ドクンと大きく心臓が跳ねた。
 今見たのは、アイリーンの日記?
 震える手で、もう一度本を開く。