誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 もともと袖がちぎれていたものを直したからちぎれやすくなっていたのかと思ったけれど……。
 そもそもあんな乱暴に扱われなければ破れるはずがなくて……。
「アイリーンも、誰かにあのようなことをされたから袖が破れていたの?……修復できないほどひどい状態になっていたドレスも……」
 ぶるぶると手が震える。
 あんな恐怖をアイリーンも味わっていた?
「それに……シミのついたドレスも何着もあった……」
 うっかり何かをこぼしたのだろうと思っていたけれど。
 はっきりと、令嬢たちがお茶をかけてやると言っていた。
 あれは、誰かにお茶をかけられたの?
 いったい、どうしてアイリーンがそんな目に……。
 ……それから……。
 ルード様が私のことを好きだと……。
 でも、そのルード様は弟の恋を応援すると……。
 それはアイリーンじゃないの?それともヴァイオレッタなの?
 アイリーンの残した20名の父親リストに目を通す。
 黒髪で青い目……。ハルーシュという名前。
 ルード様の弟だろうか?
 私がアイリーンじゃないことをすぐにで見破った。
 そして、ヴァイオレッタだということも。
 ……あれ?彼は何と言った?
「本物のヴァイオレッタ……と言った」
 ということは、夜会に出ているヴァイオレッタはヴァイオレッタじゃないということも知っていた?
 アイリーンと同一人物だと知っていた?