誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

「君があの男に襲われているのを見て、生きた心地がしなかった。頭が沸騰して、感情が抑えられなくなって……アイリーンを守ってやれない自分が情けなくて……そして、何より……他の男に触れさせたくないと……好きだと自覚した。いいや、愛してるんだ。」
「受け入れられません」
「なぜだ!」
 ルード様を不幸にしてしまうから。ルード様が言ったんだ。大切な人の幸せは願うものが当たり前だと。
 ルード様に幸せになってほしいのだから……。
「聞かなかったことにします……」
「どうして、アイリーンだって、俺のことを好きだと、そう言ってくれただろう?」
「……ごめんなさい」
 この謝罪は、気持ちを伝えてしまったことに対するものだ。
「なぜ……」
 ルード様が悲しみの表情を浮かべる。
「兄さんっ!」
 突然の声に、弾かれたようにルード様が私の肩から手を離した。
「アイリーンに何をしたんですっ!」
 ルード様よりも少し若い青年が現れた。
 こちらまで駆けてくると、ルード様を押しのけて私を背に庇った。
「兄さんっ!アイリーンに、何をしたんですかっ!許さない!」
 ルード様と同じ色の髪の青年ごしに、ルード様の顔が見える。
 その表情は何かを悟ったようなものだった。
「アイリーン……」
 声にならない声で、口を動かすのが見えた。
「アイリーン、行こうっ!」
 青年……ルード様を兄さんと呼ぶからきっと、弟なんだろう。