誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

「え?あの、ルード様……」
「アイリーン……。俺は、弟はおろかだと思っていた……。子爵家の令嬢を好きになってしまったから……決まりかけていた婚約を白紙に戻してほしいなどと……」
 え?
 ルード様の弟の不始末って……。
「好きな人と弟さんを別れさそうということ?」
 それは誰?
 ヴァイオレッタの子をを気にしていた。
 私のことも噂で聞いていると言っていた。
「軽蔑するか?愛し合う者たちを無理やり別れさせようとしたんだ……」
 苦しそうな声を出すルード様。
「いいえ……貴族としての責務の一つでしょう。家と家とのつながり……そのための結婚も……」
「そうだ。弟の言うことは貴族の務めを放棄する我儘だと……女に金を渡して別れさせればそれで終わりだと……。いくら弟に恨まれようとも、あとで俺に感謝するだろうとまで思っていた……」
 ルード様の背中に手を回す。
 10だけ数えて、回していた手をはずしてルード様の体を押した。
 ルード様は、素直に私から体を離してくれる。
 ただ。肩に手を置いたまま私の顔を悲痛な表情を浮かべて見ている。
「間違ってないです。決して……」
 目を逸らそう……そう思ったのに、強い視線にそらすことができない。
「分かっています。ルード様は……失礼ながらどこの家の方か分かりませんが上位貴族でしょう?」