誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 それとも、たまたま今日はこんな風に扱われているだけど、ちゃんとお茶会には親しい人もいて楽しんでいたの?
 もっと……奥へ……人の目が怖い。
 客のいない所へ……。
 庭園の奥。背の高い色とりどりの薔薇に囲まれた場所に噴水があった。
 ほっと息を吐き出す。
 誰も花にも噴水にも興味がないのか人の姿はない。
 噴水の縁に腰掛ける。
 このまましばらく時間をつぶそう。
 いいえ、せっかくだから薔薇の花を楽しもう。
 気持ちを切り替えて、薔薇の花に目を向けると、一人の男性の姿が目に入った。
 赤毛の背の高いそれなりに整った顔の青年だ。
「ああ、こんなところにいたのかい。アイリーン」
 この声!
 先ほどアイリーンに分からせてやると言っていた声の主だ。
 確か……。
「アランディス様……」
 アランディス様はすたすたと何の戸惑いもなく私の方へと向かって歩いてくる。
 逃げよう。
 立ち上がった時には、すぐ目の前まで来ていた。
「アイリーン、こんな人気のないところでどうしたんだい?気分でも悪いのかい?」
「あの、大丈夫ですから……アランディス様は、その……婚約者のところへお戻りください」
 なんとか顔に笑顔を貼りつけてアランディス様に答える。