誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

「あんたさ、いい加減にしなさいよ。アランディス様に色目を使ったでしょう!彼はヘレーゼの婚約者なのよ?」
 誰?
 アランディス様?ヘレーゼ?
 分からない。どうしよう。
 何か言わないといけないのかもしれないけど、アイリーンとこの人たちがどういう関係でいつもどう接しているのかが分からないから何も言えずにいる。
「そうよ。彼は私と結婚して男爵家の婿養子になるのよ。今日だって、アランディス様が来ると知ってやってきたのでしょう!」
「帰りなさいよ、せっかくのお茶会が一気に庶民臭くなっちゃうわ」
「帰るつもりがないって言うなら、また前みたいにお茶をぶっかけてあげましょうか?」
 お茶をぶっかける?
 まさか!
 クローゼットに並んでいたシミのついたドレスを思い出した。
「な、なぜお茶をかけられなくちゃいけないのでしょう……」
 アイリーンが何をしたの?
「はぁ?生意気に口答えする気?」
 どんっと肩を小突かれる。
「あんたが帰りやすいように協力してあげるっていっているの!」
「そうよ!ドレスを汚してしまったので帰りますって、言い訳が立つでしょう?」
「ああ、でも、お茶すらもったいないかしら?」
「そうね。そこにしりもちでもついたらいいんだわ!」
 どんっと押されてよろめく。
 もしかしたら普通の令嬢ではすぐに転んでしまったかもしれない。