誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 子爵家のうちが参加できるのは、せいぜい伯爵家主催のものまでだったはずだ。
 ルード様に会うとは思わないけれど……。
 もし、会ったらどうしよう。
 ……ふふ。もう関わらないでくださいって私から言ったのに。もし会っても、もう視線を合わせることもないのに。

 クローゼットを開く。
 一人で着られるドレスは昨日着てしまった。
「あ、これ……」
 袖が取れていて直してアイロンをかけたドレスも一人で着られるタイプのドレスだ。薄い黄色い色。
 着替えて、髪を整える。とはいえ、カツラだとばれないようにするため凝った髪型にもできない。まぁ一人じゃどうにもならないから地毛でも一緒だっただろうけれど。
 それから見様見真似の化粧。徹夜だったので、気を抜くと眠気に襲われる。
 お父様と一緒に向かったのは、子爵家主催のお茶会だ。
 主催者に挨拶すると、早々にお父様は私のことは忘れてしまったかのように、周りの参加者に話しかけていく。
「いやぁ、実はうちのアイリーン、侯爵夫人のジョアンナ様に気に入られましてねぇ」
「え?アイリーン嬢が?接点がありましたかな?」
「アイリーンが作ったハンカチに目が留まったようで。そりゃもう、うちの娘は刺繍が得意で」
「ほう、だが、刺繍が得意というなら、うちの娘だって負けておりませんぞ」
「どうですかなぁ。ありきたりのハンカチでは目に留まることなどでないと思いますけどねぇ」