誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

「はい。刺繍の材料を買いに行った時に、すでに刺繍が施されているハンカチが売られていました。そこにもこのような色のハンカチは置いてありませんでした」
「そうだろう。分かっていて、私に恥をかかせる気だったのか!」
 お父様がさらに怒りを募らせる。
 いつもなら申し訳ありませんと頭を下げて終わっていただろう。
 でも、もういい。頭は下げない。だって、悪いことをしたつもりはないのだから。
「いくらでもお店に行けば買うことができるハンカチじゃないものをと、ジョアンナ様に紫のハンカチを選び贈りました。気に入っていただき、知り合いにもと頼まれましたけれど……。お父様はどこにでも売っているような白いハンカチをお望みでしたら、今から買いに行ってまいります」
 ぺこりと頭を下げて部屋を退出しようとしたときに、お父様の手が伸びて私の肩を乱暴につかんだ。
「仕方がない。今から買いに行ったのでは遅れてしまう。今回はそれで構わない。よこせ!」
 先ほど私に投げつけたハンカチを今度は私の手から奪った。
 あっけないなぁと思った。
 頭を下げなくても、こんなにあっけなく終わるのか……と。
「お前もさっさと準備をしろ!午後からお茶会に行くぞ!」
 お父様の言葉に首をかしげる。
「え?次は、1か月ほど先の参加だったのでは?」
「予定等すぐに変わる。早く支度をしてこい!」
 どこのお茶会だろう……。