誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 あの時は、家族以外にどう思われても悲しくもなんともないと思っていたけれど。
 そうじゃなかった。
 そうじゃないのを私は知っていたのに。
 マーサ……もしもう一度会えたら……嫌われていたら辛い。
 ミリアにも……嫌われたくない。
 それから……。お母様の友達だったというジョアンナ様にも。
 むしろ。
 なぜ……私は、お父様に嫌われることを辛いと思っていたのだろう……。
「おい、ハンカチはできたのか?」
 お昼前にお父様が部屋に来た。
 もっと朝早い時間に言われると思ったので、すでにハンカチは出来上がっている。
「はい」
 濃紺に白糸で刺繍をしたハンカチを差し出す。
「なんだこれは!こんな色のハンカチなど見たこともない」
 バシッとせっかく刺繍をしたハンカチを投げつけられた。
 ぎゅっと拳を握り締める。
 手の平にいっぱい汗をかいている。
 ……怖い。でも、だけど……。嫌われたくないという思いはもうないのだ。
 今だって好かれていない。たくさん努力してきたけれど、お父様に好かれることはなかった。それどころか、お父様からすれば、私は自分の子じゃないと思い続けている。
 他人だ。
 他人……。それを受け入れればよかった。
 お母様はお父様の子だと信じて貰いたかった。だから、私もお父様に認めてもらおうと頑張った。
 けど……。もう、いい。