誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

「ミリアです。ミリアとお呼びください」
「ありがとうミリア……」
 味方だという言葉に、胸がいっぱいになってしまった。
 どうして、アイリーンの姿をしているだけで、こんなにもみんなは優しくしてくれるんだろう。
 髪の毛の色が違うだけなのに……。
 嬉しさと、悲しさと、複雑な思いが胸に押し寄せる。
 いいえ、違う。そうじゃない。ジョアンナナ様は私がアイリーンじゃないと知っても優しい言葉をかけてくれた。
 ミリアが……もし、子爵家を首になったらジョアンナ様に助けてもらえるかもしれない。
 不当に解雇されましたが心優し侍女だと、就職先を紹介してもらえるかもしれない。
 どちらにしても……。
 アイリーンが帰ってきたら、また使用人をお父様は総入れ替えするかもしれない。
 だったら……。
 侍女が私の手から取ったバケツに手を伸ばす。
 侍女……ミリアが、私の手からバケツを遠ざけようとした。
「これは私が運ぶから、アイロンを持ってきてくれる?」
 頼みごとをすると、ミリアはぱっと顔を輝かせて頷いた。
「はい。かしこまりました、お嬢様」
 バケツを受け取って部屋へと戻る。
 ミリアが戻ってくるまでに、急いで手紙を書く。
 ジョアンナ様宛てに。
 お願いがありますと。使用人が入れ替わり、とてもよくしてくれる人が首になってしまったときに、新しい職場を紹介してくれませんか?