誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

「まだお腹は目立っていないようだが、あのように締め付けるドレスはやめるように。それから倒れたのは脳貧血というものだろう。急な動きをすると妊婦は意識を失うことが時々あるから、ダンスなどもしないように。いや、もう舞踏会に出るのはやめた方がいいでしょう」
 お医者様が帰ってから、お父様はすぐにアイリーンに詰め寄る。
「アイリーン、どういうことだ!妊娠だと?父親は誰だっ!」
 アイリーンはすでに意識を取り戻して、ベッドに座っていた。
「知らないわよ」
「し、知らないって、どういうことなの?」
 お義母様の言葉に、アイリーンは大きくため息を吐き出す。
「生まれて目の色や髪の色を見ればわかるかもね」
「そ、それは、つまり……不特定多数の男性と関係を持って、誰の子を妊娠したのか分からないということか……」
 わなわなとショックと怒りにお父様がこぶしを握って震えている。
「不特定多数なんて娘を何だと思ってるのよ。せいぜい20人よ。私にだって好みってものがあるんだもの」
 お父様が頭を抱えた。
「大丈夫よ。私は好みにうるさいのよ。ハンサムだし、優しいし、みんな色々贈り物をくれるお金持ちばっかりだから。誰の子だったとしても大丈夫よ」
 アイリーンがにっこりと笑う。
「でも、婚姻前に妊娠だなんて……なんて言われるか……」
 お義母様が強く両手を握り締めていた。
「ぷっ。やだ、お母様がそれを言うの?」