誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 何をかいたのかと気になり、読み取れる文字を繋ぎ、紙を裏返したり光にすかしたりして必死に読もうとしたんだ。
『寂しい……必要もないのに………………手紙も出せない。子爵家の悪口を…………疑われ……』
 ……手紙を出すことを禁じられていたのかな。手紙に愚痴や悪口を書いて送るつもりだと疑われて禁止になった?
 ここに繋がる文章ばかリ読み返して気にしたこともなかった。
『でも、私にはあなたがいるもの。かわいい私の子。早く会いたいわ』
 疎遠になったのは、なにもジョアンナ様のせいじゃないのかもしれない。
 ジョアンナ様は後悔しているみたいだけど、もし、お母様が手紙を出すこと……連絡を取ることを禁止されていたのだとしたら……。
 悪口を疑われたというのは本当なのだろうか。
 手紙の内容を出す前に確認してもらえば済むことじゃないだろうか?ううん、理由はなんであれ、手紙が出せなかったというのは本当のことなのだろう。きっと。
 本をめくるとピンクの花の押し花。
 ジョアンナ様に名前を教えてもらった。
 モス・フロックス。この色のモス・フロックスの花言葉は「臆病な心」。
 ルード様が、私の髪に花を挿したことを思い出す。
 似合うよと……。
 ああ、本当に。私にはお似合いだ。怖い。
 何もかも怖い。
 お父様に逆らうのも。ルード様との恋に溺れるのも。全てもジョアンナ様に打ち明けるのも。