誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 お父様は何と言うだろうか。
「今すぐ出ていけ!」
 いいえ。今はアイリーンの子供のこと等もあるから。
「勝手は許さん」
 と、……もう二度とジョアンナ様にも連絡が取れないようにされてしまうかもしれない。
 フルフルと頭を振る。
 それは、いやだ。
 いつものくせで、屋根裏部屋に向かい階段まで来てハッとする。周りに使用人の姿がないことを確認して、ほっと息を吐き出す。
 こうしてぼんやりしていては、すぐにばれてしまいそうだ。
 気を引き締めないと。
 慌ててアイリーンの部屋に入った。
 ドアにカギはないけれど、何かでドアを塞げるようにしておいた方がいいかもしれない。
 寝ているときに、使用人がうっかり入ってこないとも限らない。起きていれば、人の出入りはすぐにわかるから、入ってこないように命じることも、待たせてカツラをかぶることもできるのだけど……。
 お父様に相談してみないと。
 ドレスから部屋着に着替える。
 本棚から、お母様の本を取り出して机の上に置く。
「お母様……お母様の友達の友達だったジョアンナ様に会いました。疎遠になってしまったことを後悔して……」
 あ。そう言えば……。
 日記帳になっているお母様の本をめくる。
 どこかに、確か書いてあったはず。
「あった……」
 文字を書いた上からぐしゃぐしゃと文字を塗りつぶしている。