誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 それから、アイリーンのフリをしていたことは、誰にも言うつもりはないから安心して欲しいと。侍女たちにも口止めをしてあること。信用できる者だから安心してほしいと書いてある。
 最後に……。
『子爵家を出るつもりがあれば、手伝います。いつでも言ってちょうだい』
 と、書かれていた。
「子爵家を出る……?」
 アイリーンが子供を産んで帰ってきたら、子供の父親と私は結婚して子爵家を出る予定だ。
 ……結婚ではなく、子爵家を出るつもりがあるかと尋ねられているということだよね?
 もし、父親が既婚者で結婚できそうになかったらということ?
 いいえ、アイリーンが子供を産み、その母親が私だということにして結婚させられることまでは、ジョアンナ様は知らない。
 ということは、子爵家を出るというのは……。
 出て平民として暮らす気があればということだろうか?
 刺繍を気に入ってくださった。
 もしかしたら、他の人にも売り込んでくださるとか?それでお金を稼ぐことができれば……。
 アイリーンの子を育てながら暮らしていける?
 それとも……。侯爵家の使用人として雇ってもらえるとか?
 上位貴族の使用人……侍女などとして、男爵家や子爵家の令嬢が働いていることはよくあることだ。
 下位貴族の女性の一番の出世は王宮で侍女として働くこと、次に公爵家で働くこととも言われている。