誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

「言いにくいこともあるでしょう。言わなくていいわ。答えられないなら答えなくていいのよ。申し訳ないなんて思わなくていいの。むしろ、私が質問をすることで、嫌なことを思い出して辛い思いをさせているんじゃないかと思うと、私の方こそ謝らなければね」
「いえ、ジョアンナナ様が謝ることなんて一つもないですっ」
 優しい顏で、ただ静かに頷くジョアンナナ様。
 お茶をどうぞとジェスチャーで示される。
 砂糖をスプーンに半分だけ入れたお茶は、ほんのり甘くておいしい。
 そもそもお茶も砂糖も普段口にすることはほとんどない。贅沢品の部類だからだ。マナーの訓練の時に聞き茶おたしなみの一つだと、その時に飲んだくらいで。
 そのはずなのに、私はお母様と同じ味の好みだというのは本当だろうか?
「ねぇ、ヴァイオレッタ。噂されている夜会のあなたの振る舞いは、あなたの望んでいることなの?」
 あれ?そうか。今ここにいる私はアイリーンの身代わりをしているヴァイオレッタだとばれてしまったけれど、夜会に出席しているヴァイオレッタがアイリーンだということまではまだバレてないんだ。
 ……どう答えたらいいんだろう。
 私の望みなのか?と言えば、私が夜会に行っているわけではないので私の望みではないことは確かだ。
 じゃあ、アイリーンは?娼婦のようだと言われる行動は、好きでそうしているんだろうか?