誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

「お砂糖はいくつ入れる?そういえば、ソフィアはいつもスプーンにひとすくいの半分くらいを……」
 ちょうど、砂糖をスプーンに半分すくったところで手が止まった。
「あら、まぁ。ふふ。親子ね。味の好みまで似るのかしら?ソフィアもそれくらい砂糖を紅茶に入れていたわ」
「お母様も……」
 マーサがいなくなってから、こうしてお母様の話をしてくれる人は一人もいなくなってしまった。
 また、誰かからお母様の話を聞けるなんて思っていなくて、思わず涙ぐむ。
「あらあら。どうしたの?」
「申し訳……ありませ……ん。お母様の話を聞けて、嬉しくて……」
「お父様から話を聞くことはないの?」
 首を横にふる。
「まぁ、そうねぇ。後妻の手前、前妻のことは話にくいのかしらね……だけど、二人きりの時間を取って話をしてあげるくらいは……」
「お父様は……お母様のことを憎んでいたので」
 思わず気が緩んで言わなくてもいいことを口にしてしまう。
「え?どういうこと?」
「あ、いえ、あの……」
 しまった。お母様が浮気を疑われているなんて、不名誉なことを言いふらすわけにはいかない。
 ぐっと口を噤むと、ジョアンナナ様はカップに入れたスプーンをゆっくりとかきまぜてから、カップを手に取った。
 お茶を一口飲んで静かに口を開く。