「あぁ〜仕事疲れた〜!」

「ちょっと伊那、そこでだらけるのやめてください。鍋が置けません」

「え⁉︎紗穂、今日鍋なの⁉︎」

「そうですけど?今日寒かったですし」

「やったぁ!シーラ、今日の夜ご飯鍋だって!今年初鍋!」

「ちょ、おうり、はしゃぎすぎ」

「おうり〜シーラが潰れかけてるからやめてあげて〜!」

「伊那、お箸とコップ出してくれます?」

「ボク〜?いいよ〜ちょっと待ってて〜手洗ってくる〜!」

「そういえは、今日、お客さん来てたよね?」

「え⁉︎誰が呼んだの⁉︎」

「おうり!話すのはいいですけどその代わり手も動かしてください!」

「ちぇ、紗穂のケチ!」

「ボク、話していい?」

「あ、どうぞ話してください」

「今日はね〜ニートさんが来たんだ〜で、『死人のはらわた』読んでった〜」

「『死人のはらわた』って、ホラー、だったよ、ね?」

「そ〜そ〜それにあんまり出てこないからびっくりした〜!」

「珍しいといえば、前にわたしの代で初めてでた本がありましたよ」

「あ!奈々ちゃんの話?」

「それです!あれ以来、奈々さんほとんど毎日通ってて・・・もう本も認めちゃってますよ」

「・・・早い」

「え〜⁉︎奈々ちゃんが来たの、一年ぐらい前だよね〜?そんな早いのボク聞いたことない〜」

「わたしも普通に本棚から本を取り出していたのを見た時は流石に驚きましたよ・・・」

「奈々ちゃんウチらと違うクラスだけどこの前あったよー前よりも顔色良さそうだった!」

「そういえば、この前、おうりが言ってた、小学生に、あった」

「そうなの!ねね、悠くんどうだった?」

「趣味が、一緒な人を見つけた、って、言ってた。おうりお姉ちゃんに、よろしく、って」

「悠くんといえば、今日点検していたら、金の斧とおいぼれ馬、少し破れてましたよ」

「・・・!うそ、ありがとう。後で、修復しておく」

「そうしておいてください。ところで、そのおいぼれ馬を呼んだ女性は今は?」

「佳奈、さん?この前、彼氏、できたって。自分の、悪い所、も頑張って、直してた」

「それはよかった〜今日のお客さんの中川さんにも幸せになってほしいな〜」

「伊那。私たちの、目的、は・・」

「!分かってるって〜流石にこんな大事なことは忘れないよ〜」

「ウチらは、そのために生きているようなもんだしねー」

「えぇ。わたしたちは絶対に明らかにしなければいけません」


―あの、忌まわしい大戦の全てを。


一章-終