夜の帳が下ろされた背景には、金色の蝶が無数舞っている。それはひどく人の目を惹きつけ、捉えて離さない。


 ぼんやりと浮かぶ月色の文字。


《終焉を告げる金色の蝶》


 終焉。――ああ。この言葉を見聞きするだけで、歓喜してしまう。



 抗えない快楽、依存。


 死は少女を愚者にする。


 たとえ最果てに墜ちようと、そんなものは些細な事でしかないのだから。少なくとも少女にとってはの話だが。