「なんとでも言えば? 本当はきらいじゃないくせに」
「バカ野愛! 本気でだいっきらいだから!!! 」
「えーそれは泣いちゃうなあ、俺」
余裕で笑っている野愛が泣くわけないくせに……!
クスクスと微笑む仕草は優雅で、わたしをいじめて楽しんでいる様子だとは到底思えない。
きっとこやつは美しい尊顔で人生得しているな……と余計にムカついていると、彼は可笑しそうに片眉を上げた。
「あれだよな、俺に向かってそうやってキレるところも、瑠璃ちゃんの良いところだわ」
「……?! の、野愛って、どーしていつもそうポジティブなの?!」
「俺がポジティブっていうより、瑠璃ちゃんが良い子なだけじゃん?」
「なっ、なっ、……そんなことないし!!」
わたしはこんなにも苛立ちをあらわにしているのに、彼はそれに凹むどころか、生き生きしている。
野愛はこういうところがあるから、いつだって気が抜けない。



