ノア様の愛のいじわる


そんなの、こっちだって同感だ。

野愛の憎たらしい意地悪がないと、わたしの夏休みだって味気ない。


「瑠璃ちゃんが【妃】になってくれたら、話が早いんだけど」


そこを突かれると弱いわたしは、反論できず、項垂れるしかない。

確かにわたしが【妃】になれば、野愛の多すぎる仕事を少しでも楽にできるだろうし、夏休みだって当たり前のように学校に行ける。

だけど、だからって、そんなに簡単に【妃】にはなれない。

こんな甘い考えでなってしまったら、せっかく指名してくれた野愛にも申し訳ない。


……うっ、どうしたらいいのだろう、これは。

悶々と考え込んでいると、突然野愛の手が机越しに伸びてきて、むにっと頬を柔くつねられた。


「……に、にょあ! いひゃいよ!」

「ふは、俺の名前“にょあ”じゃねえけど?」


勝ち誇ったように笑っている【皇帝】。

まさしく【皇帝】のように絶対権力を振りかざしていて、わたしの苛々は最高潮に達する。

あ〜〜っもう! ムカつく!!!!


「野愛って、ほんと嫌!! 無理! きらい!!!」