慌てて肩を縮こまらせて存在感を消す。
だけどさっきのミヨちゃんのように、たくさんの人から不審そうに見つめられてしまい居たたまれない。
おそるおそる舞台上を見ると、校長先生はわたしが大きな声を出したことに気付いていないようで、ゆったりと喋っている。
危なかったあ……と胸を撫で下ろしたのも束の間。
舞台の袖の方に立っている野愛と、遠いからそんなはずないのに、バチッと目が合った……気がした。
わたしは舞台にいる野愛ひとりを眺めているから、いち生徒として彼を見ているのは当然だ。
だけど野愛は、ちがう。
たくさんの全校生徒の中に紛れているわたしのことを、見つけられるはずなんかない。
わたしの勘違いだと思いたいのに、野愛と会えない夏休みのことを考えていた本音を見透かされたように感じてしまって、急激に恥ずかしくなった。



