「の、野愛が! わたしのバスケ、下手くそだなんていうから!」
「え、それで怒ってここに来たの? 単純すぎてやっぱり小学生じゃん」
「ばか、ちがうもん! 高校生だし……っ!!」
「ふは、わかってるよ。ちょっとおバカなところも愛くるしいって話」
「嘘ばっかり!!」
とびきりにほおを膨らませて抗議する。
わたしはこんなに怒っているというのに、野愛は相変わらず平然としている。
「まあ、さすが瑠璃ちゃんだよな」
「なにが……?!」
「少し怒らせるようなライン送っただけで俺に会いに来てくれるじゃん。しかも自分からね」
「も、もしかしてこれも作戦……っ?!」
こうなることをわかって、わざとあんなライン送ったってこと?
そうだとしたら、本当に野愛はずる賢い。
みるみる青ざめるわたしに、彼は口角をキュッとあげ、首を傾げた。
「そうだけど? 俺には瑠璃ちゃんの行動なんて読めてるってわけ」



