不可抗力で、ドキッとしてしまう。 なによりいつ見ても綺麗なお顔が目の前にあるんだから、仕方ない。 ……違うよ、胸キュンではない、絶対に。 これは、命が危ない方の、ヒヤッとする方の、ドキドキだ。 「じゃあわたしは、野愛がどれだけ追いかけてきても、……逃げまくるもん」 「へえ、まあ好きなだけどうぞ?」 「……むっ、なんか今日の野愛ムカつく!」 「あっは、ごめん。どうせすぐ俺に捕まんのになー健気だなーって思ってたわ」 「〜〜っ野愛のバカ!バカやろう!!」