「ノア様みたいなあんな美男子、なかなかいないのに。瑠璃もったいないよ?」
「どうしてミヨちゃんはわたしと野愛をくっつけようとするの……?!」
「事実を述べてるだけだよ」
「急に冷たいっ!」
ミヨちゃんの温度差に涙しつつ、考えることは多いために頭を抱える。
「ねえどうする? ミヨちゃん」
「なにが?」
「わたしが毎日【帝国】に通ってるって学園内に広まったら、人生終わっちゃうよね? そしたら助けてくれる?」
「んーーーまあ、気が向いたらね」
「うん……ミヨちゃんの気が向くことを心から願っておくよ」
わたしのこんな悩みなど、野愛は絶対わからないだろう。
自分がどれほど人気なのかも、わかってない。
そのせいで、わたしがうんと悩んでいるのなんて、野愛が気づくわけない。



