視界に、火花が散る。

「じゃ、じゃあ気を取り直して! 扉開けるね?!」

「うるさ。さっさと開ければ? グダグダしてるこの時間が一番無駄なんだけど」

「はいっごめんなさいっ!」


そう言って迅が勢いよく扉を開けた。

それはもう教室の中にいた人が一斉にこちらを向くほど勢いよく。


「迅くんは行動もうるさいんだね。はぁ……」


唯は怒りが少しなくなり、逆にもうどうにもならないと悟ったのか呆れてため息をついた。


「うーん……どこの席だろ」


そう言って迅が教室を見渡す。


「あ、あの」

「んあ?」


ふいに後ろから声をかけられ、迅が間抜けな声を出す。

その声でぷっ、と横で唯が笑う。


「えっ汐咲先輩と和泉先輩?!」


その言葉で唯は一気に真顔になった。

表情がころころ変わる唯は見ていて飽きない。

表情だけで一芸できそうだな、と考えていると再び一年の女子が話しかけてくる。


「あっえと、私たちのクラスに何か用、ですか……?」