ドックン、ドックン

なぜか異常なほどに高鳴る心臓を抑える。

なんでこんなにドキドキしてるの?


初めてのことに戸惑っていると

「はい。どうした?」

いつもみたいになった結が出てきた。



別に良かったのにな。
わざわざ直さなくても。


「うん。あのね、お母さんがこれお裾分けだって。これがおばあちゃんの分だから間違えないようにね?」

「おう。ありがとな。ばあちゃん喜ぶ。」

笑顔で結が言ってきた。

「うん。じゃあ!」



早口でそう言って自分の部屋に戻ってからも心臓は高鳴るばかりだった。