次の日。
今日は終業式で学校は午前中で終わりだ。
サッカーの練習も夕方から。
寮の部屋を出て、いつものように教室へ向かう。
扉を開けて、先に来ていたクラスメイトに挨拶しながら、俺の席の前まで歩いていく。
「はよ、紗英。」
教科書を読んでいた紗英が、驚いたような表情で俺を見上げた。
――いきなり名前で呼ばれて、びっくりしてるんだろうな。
『…おはよ。』
素直じゃない紗英は、きっと照れ隠しでいつもどおりの挨拶をしてくるはず。
すると
「おはよ、翔くん。」
俺を見つめながら、頬を赤く染めて恥ずかしそうにしている紗英にヤラれた。
――昨日から急に、素直すぎかよ。
嬉しくて緩む口元を片手で隠した。
「あの、さ。」
そう言った俺を、見つめる紗英。
俺の彼女、可愛い。なんて、浮かれたことを考えながら言葉を続けた。
「今日、学校午前中で終わるだろ?俺、部活は夕方からだから、昼飯、一緒に食べに行かない?」
すると、紗英が嬉しそうに口角を上げて「うん、行こう行こう。」と笑って答えてくれた。



