素直になりなよ。


放課後。

リュックに荷物を詰めている松田さんに、また顔を寄せて話し掛けた。


『部屋で待ってるから、今からすぐ来て。』


そう言い残して、リュックを背負って足早に教室を出る。


寮の自分の部屋に着いてすぐ、エアコンの電源を入れた。

7月も中旬を過ぎて、室内は日中の暑さを溜め込んでかなり暑い。

が、寮の部屋はそんなに広くはないので、10分もすれば、それなりに冷える。


――ちゃんと来てくれるよな?松田さん。


狭い室内に一人でいると、急に不安になってきた。


少し強引に頷かせたのは自覚してる。

でも、だからといって本当に来るか来ないかは、松田さん次第だ。


――もし来なかったとしたら、嫌われてるってことだよな。そしたら…すぐに諦めきれるのか?


――もし来たとしても…添い寝仲間だからって割り切られているかもしれない。そうなると、男として見てもらうまでには時間がかかるだろうな…。


そんな思考をぐるぐる巡らせていると…



コンコン



出窓を叩く音がした。


急いで出窓に近づく。


外には松田さんが立っていて、カーテンを開けると同時に俺を見上げた。


――よかった。来てくれた。


思わずホッとして顔が緩む。