告白はよくされる。
でも、中身のない告白も多い。
「なんで俺のこと好きなわけ?」
そう聞くと、井上さんは意外だったようで、少し慌てたように言った。
「えっと…サッカー上手なところとか、かっこいいところとか――」
全然刺さらない。
大した会話もしたことのない人が俺を好きだという時は大抵こうなる。
それに…
「ごめん。俺今好きな子いるから。」
まだなにか言おうとした井上さんと言葉が重なった。
俺は井上さんの言葉を聞き取れなかったけど、井上さんは聞き取れたみたいだ。
「そうなんだ…。」
沈黙が流れた後、井上さんが「じゃあ、せめて、これからも応援してもいい?五十嵐くんのこと。あと、たまに話し掛けてもいい?」と言ったから、「まぁ…いいよ。」と返した。
井上さんがどこまで本気かわからないけど、俺も片想いの辛さは分かるから。
だから、応援してもらったり、話し掛けてもらったりするくらいならいいと思えた。
「…ありがと。」
そう言って井上さんは帰っていった。



