素直になりなよ。


電車を降り、最終目的地のクレープ屋さんに着いた。

メニューが豊富すぎて、デザートメニューの写真を見ているだけで胸やけしそうだ。


デザートメニューの横にあるミールメニューを眺めながら、松田さんの方をチラッと見る。


――なんか、目がキラキラしてんな…。


甘いものが好きなのが一目で分かる。上から下まで眺めて、うーん…と悩んでいる表情を見ていると、俺まで楽しく思えてくる。


森元さんも中野も、メニューを決め終わっているのに、まだ松田さんは決め切れていなさそうだ。


「私は…」


という松田さんの横で


「イチゴが入ってるのにしたら?」


と言ってみた。


イチゴが入っているクレープを頼んで、俺に分けてくれたりしないかな、なんて期待する。


そんな計算を見透かすように、ジト目で俺を見る松田さんに「ん?」と何食わぬ顔をして見せた。


「…私、抹茶ショコラにする。」


「おい。」


思わずツッコミを入れる。


ホント、とことん思い通りにならない。


「五十嵐くんがイチゴのクレープにすればいいでしょー?」


なんて言われて、拗ねた俺は「俺、ツナチーズ」と言って反撃した。


こういう、相手が自分を好きなのかどうかの探り合いの時って、間接キスできるかできないか、みたいなやり取りするもんじゃないの?


ってことは、松田さん、俺とそうなるの避けてんのかな…。


そう考えてちょっとヘコんだ。