素直になりなよ。


森元さんは胸の前で小さく手を叩くと「そうなんだ!じゃあせっかくだし4人で行こうよ!ねっ?」と言って松田さんを見ている。


「うん。行こっか、4人で。」


「わーい!よし、行こー!」


松田さんの合意を得ると、森元さんは喜んで先頭を切って教室の扉の方へ歩いていった。


中野がその後ろについて「俺達も行こーぜ」と言うので、部活用カバンを床から持ち上げ、リュックを背負い直す。


「五十嵐くん、クレープ好きなんだ?」

俺のことを待ってくれている様子の松田さんにそう尋ねられたので「いや?甘いのニガテ。」と正直に言った。


「え!?じゃあ何で行くって…」


「松田さんが行くから。」


――当たり前だろ。他にどんな理由があるんだよ。


そう思いながら、松田さんを真っ直ぐ見つめると、松田さんは少し顔を赤く染めた。

でもすぐにフイっと目を逸らし「…私達も行こっか。」と言って先に歩き出す。


――悪くない反応だけど…、どう思ったんだ?


相変わらず松田さんがどう思っているか分からないけれど、顔が赤くなったってことは、俺の事、嫌ではないと思っていいのかもしれない。


とりあえず、この予定外の放課後デートで、何とか松田さんの気持ちを聞き出したい。



今日こそは、絶対に告白する。



そう決めて、俺は松田さんの後を追いかけた。


「待って、松田さん。」

そう声を掛けて、俺達は横並びに並んで、廊下を靴箱の方まで歩いた。