「うわっ!やっべー!もう8時15分!!」
坂本のデカい声で、ハッと我に返った。
「ホームルーム遅刻するー!」
相変わらずのデカい声を出しながら走っていく坂本と、それに続く中野の後ろを俺も走りながら、急いで教室へ向かう。
ガラガラッと勢いよく扉を開けて、3人揃って教室へなだれ込んだ。
「セーーフッ!」
「やっべ、ギリギリ〜!」
そう言って、3人で息を切らしながら笑った。
ふう、と息をついたところで、中野が森元さんのところへ行った。
「はよ、森元さん。」
「中野くん!おはよー!」
「今日の放課後さ、2人で遊びに行かない?」
さっそく中野が、森元さんをデートに誘っていて羨ましくなる。
「お前ら、付き合ってんの?」
2人のただならぬ雰囲気を見て、クラスメイトの誰かが質問した。
「うん、昨日から。」って堂々と中野が言うもんだから、クラス中、大盛り上がり。
俺はみんなが盛り上がってる横を通って、自分の席へ向かう。
見ると、松田さんがみんなと一緒に遠巻きに森元さんと中野に目を向けていた。
俺が近づいてるのに気づいてない。
「はよ、松田さん。」
ぼーっとしてる松田さんに声をかけると
「おはよ…」
といつも通り返された。
あまりにいつも通り過ぎて拍子抜けする。



