――もしかして俺、松田さんの眼中にない…?
授業中、そんなことを考えながら松田さんの後ろ姿を眺めていたら、振り返ってプリントを回してくれた松田さんとバチッと目が合った。
目が合ったのに、すぐにフイッと気まずそうに目を逸らされ、苛立つ。
――何考えてんだ?松田さん。
すぐにでも確かめたくなった。
手元にあった付箋紙に文字を書き込んで松田さんに渡した。
『なんで髪切ったの?』
すると返ってきたのは…
『最近、暑いから。』
うん、確かに暑い。いや、暑いけども。
少しは、俺にポニーテールがいいって言われたことを思い出してくれたの?
『そんな短く切ったら、ポニーテールできないじゃん。残念。』
自分が言ったことを思い出して欲しくて、そう書いてみた。
肩を叩いて付箋紙を渡す前に、思い直して加筆する。
『でも可愛い。』
好意を伝えたくてそう書いた。
なんて返ってくるか。
返事は…
『ありがと。』
……。
……。
え、会話終わった?
もっとラリーが続くかと思ったが思うようにいかない。
もっと核心に迫る話をしないと…。



