次第に雨の日や曇天の日が少なくなり、梅雨が明け、季節は本格的な夏に移り変わった。
インターハイに向けて練習やトレーニングに力を入れ始める一方で、松田さんと過ごしたあの朝の時間がなくなり、また眠れない日が増えてきた。
同時に寂しさも感じるようになり、余計に気持ちを拗らせる。
――このままじゃ、何もかも上手くいかないな。
いっそ、気持ちを伝えてしまおうかと思った矢先のこと。
松田さんがばっさり髪を切って登校してきた。
見た瞬間、可愛いと思ってしまうあたり、かなり惚れている。でも…
――あの長さじゃ、ポニーテールできないんじゃね?
ポニーテールにする時の香りが好きって、前に言ったはず。なのに…
――今まで付き合った人は、俺が好きって言った髪型をキープしてたんだけどな…。
そう思った瞬間『松田さんには、気にも留めてもらってないのではないか』という不安に襲われる。
朝会えるのを期待してない、って言ったり、
俺が好きと言った髪型をやめて、ばっさりと切ってしまったり。
好意を感じられない言動ばかり。



