『めちゃくちゃ落ち着くんだよね。松田さんの香り。表現難しいけど…とにかく俺の眠気を誘うんだ。プリント回して振り向いてくれる時とか、髪をまとめてポニーテールにする時とか。その度に松田さんの香りがして、ホッとして眠くなる。だから、昨日も――』
『昨日…?』
『松田さんが寝ちゃった後。俺も急に眠くなってさ、つい寝ちゃったんだけど、久々にしっかり眠れた感覚があって。ちょっとしか寝てないのに、なんでだろうって思ったんだけど、たぶん松田さんが横にいてくれたからだと思ってる。』
そこまで話して松田さんをチラッと見ると、いやがるというより、むしろ少し照れたような表情をしていたのでホッとした。
――嫌われてはなさそうだな。とりあえず……もう限界。
『てことで、8時10分になったら起こして。』と言って目を瞑った。
『えっ!?ちょっと五十嵐く…』
松田さんにそう声をかけられた時にはもう、俺は眠りに落ちていた。



