「ありがと!でもこの雨だから練習中止になった!てか来るの早くね?まだ7時半にもなってないけど?」
「今朝からまた頭痛がひどくて…。だから保健室で休んでおこうと思って早めに来たの。」
「そっか…大変だな。また頭撫でようか?」
冗談っぽく言ってみると、
「え!?いや、そんな…悪いし…。」
と返された。
そう言いながら、少し顔が赤くなってる。
「俺は別にいいけど?」と言ったら、松田さんは『いいの?』と言わんばかりの表情。
「かーわいっ」と軽く褒めると、また顔を真っ赤にする松田さん。
なにこの反応。
嫌がっていない。
むしろ期待してる?
経験則でなんとなくそう感じた。
早く着替えて、すぐに保健室に行きたい。
そして、松田さんと2人きりで過ごしたい。
「また後でな!」と言って、急いで着替えを済ませる。
立ち話をしていたこともあり、ずぶぬれになった足元は冷え切っていた。



