素直になりなよ。


ガラガラッと扉が開いた音で目が覚めた。どうやらしばらく眠ってしまったようで…。


「あ、修学旅行の件なんですけど…」


――やべ、久保田先生戻ってきた。


松田さんは隣でスヤスヤ寝てる。


――先に教室行くか。


そう思って布団からゆっくり出て、綺麗に布団を整えた。


久保田先生が保健室から出る足音を聞いた瞬間にベッドから抜け出し、足元に置いていたバッグを持って急いで保健室を出た。


その後すぐに久保田先生とすれ違い、ギリギリ、バレずに済んだ。


それよりも…


――やべー。さっきの状況。


我ながら、思い出すとすごく恥ずかしい。


――添い寝じゃん。付き合ってもないのに…あんなこと。


思い出しただけで顔に熱が集まってきた。


一人、ニヤけているのが分かり、慌てて口元を隠した。


教室に入ると中野に声をかけられた。


「お前、大丈夫だった?てか顔赤くね?風邪??」


「え?」


――そういえば、気分悪くなって保健室行ったんだった。


「大丈夫、もう平気。ごめんな、心配かけて。」


「いいよ。無理すんなよ。」


中野に手を挙げて自分の席に向かう。バッグを置き、リュックの中身を出して机にしまった。